キャッシュフロー経営とは、
エンジンとなる粗利を稼ぐ力を示す損益計算書と
資金の流れが当社に有利かを示すキャッシュフロー表が
上下に合体したキャッシュフロー計算書を作り、
それを見て、経営で考えるべき大事な部分のかじ取りをしていこう
というものです。
この表をもとに気付くポイントは多く、
たった2割の財務の知識で、経営の8割をカバーできるので、
時間のない社長には経営に有効だと思います。
社長の仕事は「考えること」「決めること」だから、
この少ない資料で多くの仕事を片付けられます。
実績値 計画値 経営指標 | 問題点 | 改善案 | 方針 目標 | 仕組み | |
売上高 | 売上を最適化 | マーケティング 集客の仕組み 営業の仕組み 顧客満足の仕組み | |||
変動費 | 単価に基づく収益管理 | ||||
粗利(粗利率) | 前年より 粗利率が 落ちている | 事業を構成する システムが創出する 付加価値を最大化 | |||
人件費(労働分配率) | 人の入替りで よけいな人件費 がかかっている | マネジメント (組織体制) | |||
その他経費 | リスクに対する 脆弱性を最小化 | ||||
当期利益 | |||||
運転資金差、営業キャッシュフロー (掛取引の入出金のズレの調整) | |||||
フリーキャッシュフロー (自由になるお金) | 支出を最小化する 税金の支払いを 最小化 | ||||
投資キャッシュフロー | |||||
財務キャッシュフロー | 借り入れを最適化 | ||||
当期資金増減 | 企業価値を最大化 オーナーの投資を最適化 | ||||
前期資金残 | |||||
当期資金残 | 市場価値を最大化 | 財務の仕組み作り (財務戦略と キャッシュの最大化) リーダーシップ(事業計画) |
お金のブロックパズルという図を用いると、視覚的にもっとわかりやすくなります。トップページで紹介したご著書の表紙にイメージ図がのっています。
社長の夢の実現のためには、キャッシュフロー経営の実践が有効です。
短期的な財務改善も必要ですが、同時に長期的な仕組みの改善も必要です。
(上記の表の右側2列を指します。)
長い目で見て、「経営の仕組み作り」と「経営サイクルを回していくこと」が大事です。
これが地道であり、確実な方法だと私は考えています。
「経営の仕組み作り」は、経営システムを設計することであり、
具体的には、経営の目的・目標・方針・仕組み、経営管理方法を決めていくことです。
「経営サイクル」は、アクションプランをたてて、PDCAを回すことであり、
具体的には、経営の仕組みの優先順位を決めて、毎月の行動目標に落とし込み、進捗を毎月確認し、必要に応じて軌道修正をしていくことです。
そのプログラムの組み立てや進行において、キャッシュフローコーチがお力になります。
経営の仕組み作り
経営の仕組みは、大きく7つに分けて考えています。
- リーダーシップ(事業計画)(←CFCが特に力を入れている)
- マーケティング(市場とポジショニング)
- 財務の仕組み作り(財務戦略とキャッシュの最大化)(←CFCが特に力を入れている)
- マネジメント(組織づくり)
- 顧客満足の仕組み作り(顧客満足維持)
- 営業の仕組み作り(見込み客から顧客への転換)
- 集客の仕組み作り(見込み客の創出)
7つ全てを社長と一緒に考えていくことはできますが、その中でも、
会計に軸足をおくキャッシュフローコーチが特に力を入れているのが、以下の2つです。
1.リーダーシップ(事業計画)
3.財務の仕組み作り(財務戦略とキャッシュの最大化)
経営サイクルを回す
仕組み作りは時間がかかります。
もちろん、資金繰りの悪化など、早急に止血をし、応急処置の必要な場合は、短期的に見ていきます。
しかし、多くの仕組みは、短期的に作り上げるのは大変です。
そこで、毎月できる分だけ、少しずつ、時間をかけて作っていきます。
そのときに、スケジュール表や進捗管理、軌道修正が必要となってきます。
一般にPDCAを回すともいいますが、毎月1回経営会議を開き、
仕組みづくりの大事な部分を考えていくことが重要です。
キャッシュフロー経営がもたらす効果
黒字倒産を回避させる効果のほか、
キャッシュフロー経営は、いくつものプラスの効果を事業にもたらします。
・対外的信用を高めることができる・・・業績評価と資金の流れを明らかにし、
さらに先々の資金の流れも計画的なので、金融機関などの対外的な信用を得ることができます。
・経営の自由度が高まる・・・経営上の施策を実施するには、資金が必要になります。手元に資金がいくらあるか、
また、先々にどのような影響があるかを把握できるキャッシュフロー経営は、
経営の選択肢と資金的裏付けのある意思決定ができるので、経営に自由度が高まります。
・本業に専念できる・・・資金繰りで奔走する時間を削減できて、その分、本業に専念できる時間を確保できます。
そうすることで、おのずと、業績向上へと向かっていくでしょう。